初めての北海道
日本には1997年から住んでいますが、忙しい日々を過ごす中で、札幌を訪れるチャンスがなかなかありませんでした。また、寒い季節を避けていたため、札幌雪祭りへ行くチャンスを2回も逃してしまいました。
そこで、2016年6月に行われた今年の社内旅行で札幌へ行くグループに名前を記入したところ、無事に承諾されました。念願の北海道に行くのはとても楽しみだったのですが、旅行の日程とラマダーンの神聖な断食月と重なってしまったのですこし心配でした。ですが、いつも通り、初めての場所へ行く際は下調べを入念に行い、その周辺のエリア、行きたいところ、やりたいことを決めておきました。
グループ内では私が唯一のムスリムだったためすべてを2度確認して、断食中に日本人の同僚たちに迷惑がかからないようにしました。日本の会社に勤務するほんの複数の外国人のうちの一人だということを私は誇りに思っています。グループのリーダーはとても理解のある人で、3日間の旅行中、私のためにいろいろと段取りをしてくれました。
話を完璧に書いてしまうと旅行番組やサイトで取り上げられてしまうため、ムスリムやムスリム以外の人たちが札幌旅行を楽しめるように、を主なテーマとして私の3日間を皆さんに紹介させていただきます。
1日目
新千歳空港に着いたのは13時くらいで、そこから45分かけてアートホテルズ札幌にたどり着きました。こちらではムスリム用に礼拝所が用意されていることを下調べした際にっていたので、チェックインしてすぐにズフルの礼拝をおこない、夕食・断食後の食事の前にはアスルの礼拝をおこないました。
2階にある礼拝所の近くには大きなホールがあり、ここで朝食がふるまわれたり、パーティを行ったりするようです。トイレと手洗い所もあるため、ここでウドゥをしてからお祈りすることができます。
ただし、できるだけしっかりと手と足を拭いて礼拝所が臭くなったりしないよう気を付けてください。もちろん、私もこのルールはきちんと守りました。
アートホテルズ札幌はムスリムフレンドリーなホテルで、ハラールの朝食に加えハラールまたはベジタリアンの昼食・夕食を食べることができます。ただ、ハラールメニューを希望の場合は事前に注文をしなければいけないため、少なくとも宿泊予定日の1週間前には連絡しなければなりません。事前に連絡をすることによってムスリムのホテルでの滞在はとても心地よいものとなることでしょう。詳しくは以下のサイトを参照してください。http://www.arthotelssapporo.com/promotions/halal-friendly-menu-prayer-space.htm
社内旅行は毎年、グループリーダーが主催の夕食会が開かれます。
私のグループリーダーは私が断食中ということを配慮してくれて、ハラールメニューをたのんでくれました。キリンビールガーデンはアートホテル札幌から歩いて3分の場所にあり、ハラールBBQセットも提供していますが、行く前に必ず電話で確認をとるか問い合わせをしてください。
また、キリンビールガーデンで食事を終えた後「ハラール焼肉晃」へ行く予定だったのですが、(行きと帰りの)交通の用意をちゃんとしていなかったため行けませんでした。レストランの責任者の電話番号をすぐに教えてくれたハラールメディアジャパンの守護彰浩さんにはとても感謝しています。もし機会があれば、来年の旅行で今度こそハラール焼肉晃に行きたいと思っています。
2日目
サブグループのメンバーはレンタカーを借りて(それぞれのサブグループごとに5人乗り車一台)回りたがっていたのですが、北海道大学へは自転車で行きたかったため、私は自転車で回りました。北海道大学へは3日目に行きました。
まず、ホテルのスタッフに尋ねて自転車のレンタルが一日1650円かかるということを教えてもらったので、今度はグーグル先生に聞いてみると、札幌駅(駅チャリサイルポート)では3日間(1週間パック)1500円で自転車が借りられると教えてくれたので、こちらで借りることにしました。
グーグルマップで電話番号からサイクルパークの場所を調べていたところ、サイクルパークのある札幌駅とは逆方向にあるオフィスについてしまいました。そのため自転車を借りるカウンターにたどり着くまでに時間がかかってしまいました。自転車をレンタルしてすぐに、札幌 マスジドに向かいました。レンタルカウンターにいた人はともて親切で(すみません、名前は忘れてしまいました)英語で話しかけてくれ、イランに2年間住んでいたことがある、と教えてくれました。
しかし、私は日本語が話せたため(100%ではなく75%くらいですが)、また漢字で住所が書けたため、少し安心したようでした。
札幌マスジドではズフル・ジュマートの礼拝が13時から行われると思っていたのですが、ついてみると12:30からだったので、ひとりでお祈りをしてから、礼拝所にいるインドネシアやマレーシア人のムスリムたちと握手をかわしました。
夜にはまたここに訪れてイフタール(断食後の食事)に参加しました。ここでは、バングラデッシュ、マレーシア、インドネシア、他アラブ国(国の名前は聞けませんでした)から来ていたムスリムと知合いました。とてもフレンドリーな環境で(いつものことですが)マグリブの礼拝のあとに提供されたイフータルの夕食はとてもおいしかったです。
3日目
この日は北海道庁旧本庁舎に行きましたが、札幌に行くのであれば、ここに訪れる価値は十分にあると思います。建物の前でグーグルマップと連動して使うアプリ、「フォトスフィア」で写真を撮りました。
下記に記載の建物のリンクから英語、中国語、韓国語、タイ語でPDFがダウンロード可能です。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/sum/sk/akarenga.htm
3日目の目的のひとつは北海道大学でした。サイトにある「200万人が住む町の中心に180ヘクタール(北から南へ2キロ、東から西へ1.6キロ)の巨大なキャンパスがあるのは世界でも珍しいことです」とあるように、今回だけではキャンパス内すべてを回ることができませんでした。
私はラマダーン中に行ったため、食べることができませんでしたが、ムスリムの学生や観光客には大学生協の食堂でハラールランチ(一日2セット限定)がお手頃な値段で提供されています。
ここで今一度、ハラールメディアのWebサイトにお礼を言いたいと思います。サイトで得た情報からムスリム用のお土産サービスカウンターを見つけることができ、ここで会社の同僚や家族にお土産を買うことができました。ハラールインスタントラーメンが得に息子のお気に入りでした。
断食後には小樽市にあるノール・マスジドに行きました。私が札幌に来るのが初めてで、横浜から来ていると話すと、ここにいた皆さん、得にクレシさんがとても親切にしてくださいました。イフタールはとてもおいしく、十分な量もあったため、全員がおなかいっぱい食べ終わったあともたくさんの食べ物が残っていました。マグリブの礼拝のあとまた食べようとする人もたくさんましたが、私は胃が小さいため(660cc)もう食べられませんでした。小樽から札幌までは33.8キロ、電車で34分かかるため、マグリブの礼拝後、また来てね、と言ってくださる皆さんにお別れのあいさつをして、すぐに出発しました。
旅行をまとめると、ムスリムとしてラマダーンの神聖な断食月に札幌を訪れることは、とても素晴らしい旅行になりました。皆さんもできるだけ早く旅行を計画されてはいかがでしょうか。