Written by ムジャヘッドさん

”Assalamu alaikum”.

みなさんこんにちは、Pran Pone 代表取締役のJahangir Mujahed
と申します。
練馬区の江古田で『HALAL Italian Restaurant&Café Pran Pone』を経営しています。
僕はバングラデシュ出身のムスリムで、日本にやって来たのは今から30年前、1985年のことです。
今日はこの場をお借りして、僕が来日した当時と現在のハラールを取り巻く環境について、そして僕自身のハラール料理に対する思いについてお話させて頂きます。

僕は30年数年前、警察官だった父親への反抗心から「絶対にビッグになって親父を超えてやる!」という思いを胸に家出同然で国を出ました。
数カ国を命がけで旅した後に、当時はフリーポートで入国しやすかった日本に、たまたま降り立ちました。
初めて見る日本という国は、とても静かで衛生的な街並みと、まるで天使のように優しい人々に溢れる夢のような国でした。
僕はそんな日本に惚れ込み、移住を決意したのです。
たくさんの日本人の方々に支えて頂いて今の僕があるわけですが、食事に関してだけはかなり苦労したのを今でも鮮明に覚えています。
その頃の日本では、ハラールという言葉を知っている方は、少なくとも僕の周りには一人もいませんでした。
そもそも当時の日本はムスリムの国々とはあまり関係がなく、イスラムやムスリムのことをほとんど知らなかったのです。
ですから、ハラールの食べ物はどこに行ってもなかったのは当然と言えます。
当時の僕の食事といえば、しばらくはバナナと卵だけ。
しかしその生活にも限界がきますので、泣く泣く『ハラーム』(食べてはいけないもの)を食べて生活していました。

特にここ数年は、日本でもイスラム教やムスリムに対する理解が少しずつ広がってきました。
その背景には、ムスリムの観光や移住が年々増加していることも大きく関係しています。
ムスリムの中には親日家がとても多いのですが、その大きな理由として、日本人の古くからの生活様式や文化、心の持ち方などが、イスラム教の規律にとてもよく似ているということが挙げられます。
宗教の規律で「これは良いこと、これは悪いこと」と決められていることを、日本人のみなさんは先祖代々、当たり前のように行っているのです。
ムスリムにとって、そのような日本人の生き方は、尊敬に値するとても素晴らしいものです。
また、和食や伝統文化など日本の誇るべきところはたくさんあり、そのどれもがムスリムにとって魅力的です。
そのため、「日本に行ってみたい!」「日本に住みたい!」というムスリムもどんどん増えていくのです。
もう一つ、日本のとても素晴らしいところは、仏教と神道の見事な融合により、他の宗教などに対して非常に寛容であり、他国の文化や人を広く受け入れようという姿勢を保っているところです。
そのため、今ではムスリムがもっと過ごしやすく、安心して生活できるような環境を整えていこうという思いを持った日本人の方々も増え、日々ハラールに対応したレストランやホテル、ムスリムのための美容室や礼拝所などができています。
僕の来日当時には夢にも思わなかった状況であり、本当にありがたいことです。
しかし、まだまだたくさんのムスリムが生活するのに不便を感じているのも事実です。
既に日本にいるムスリムはもちろん、せっかく素晴らしい文化や伝統に溢れ、温かい人々の暮らす日本に行きたいのに、食事や礼拝などに困るから行けない・・・そういう思いを持っている外国人ムスリムも多くいるでしょう。

これからの日本の成長やグローバル化には、イスラム教国とのつながりがとても重要になってきます。
2020年には東京オリンピックで莫大な数の外国人観光客が日本に押し寄せます。
全世界に16億人もいるムスリムが日本に注目する絶好の機会に、「オリンピックをこの目で見たかったけれど、食事のことが心配だから日本に行くのはよそう・・・」と残念に思われてしまっては、日本の“おもてなし”精神が損なわれてしまいます。
それに今後は日本の人口もさらに少なくなることが予想されています。
それに伴い高齢化が加速し、介護にもたくさん手がかかります。
未来の日本の経済を支えるためにたくさんのムスリムが来日して働き、そして暮していくのです。

ムスリムにとってハラールは、ただ単に食事に関することに留まらず、“生き方”そのものです。
そんなムスリムの生まれ育ったイスラム教の国々と経済関係を構築するためにもハラールは避けては通れない重要な課題ということになります。
日本社会のあらゆるところで、ハラールに関する取り組みを官民一体となって行っていくことが大切です。
ハラール環境を整備し、世界中のムスリムを自信をもって招待できるような日本にしていく。
そのためにまずは2020年のオリンピックに向けて“おもてなし”の環境を作っていき、「日本に行けば安心して生活ができる!」という明るい印象を持ってもらって大成功させることが肝心ではないでしょうか。
このことは、柔軟で謙虚、寛容な日本人のみなさんのいるこの日本でこそなし得ることだと、僕は信じています。

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Italian Casual Dining プランポーネ

Tel
03-3991-5944
OPEN
11:30-14:30 Dinner 17:00-22:00(L.O.)
Holiday
月曜日
Address
東京都練馬区豊玉上1-9-5 ハコビル1F
Facebook
https://www.facebook.com/pranpone.jp/
Halal Gourmet Japan
https://www.halalgourmet.jp/ja/restaurant/474
Jahangir Mujahed
Jahangir Mujahed

Pran Pone CEO
Jahangir Mujahed

プランポーネについて
PRAN PONE renewed and opened as a restaurant which doesn’t serve alcohol.
Healthy Italian Pran Pone interview

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