東京のハラールイタリアン「プランポーネ」のシェフが作る和風ハンバーグ
アッサラーム アライクム
この度、日本醤油協会とNHK主催の「第7回 しょうゆ味レシピ&エピソードコンテスト」にて、和食部門の金賞という、大変名誉ある賞を頂きました。
「ハラール照り焼きハンバーグ 大葉おろし醤油だれ」
「ハラール」のレシピでこのような賞を頂けたこと、また審査員長が、ご自身もハラールに関心を持っておられる服部幸鷹先生だったことなど、これからハラールをより日本で広めていきたいと考える私たちにとって、本当に貴重な機会を与えて頂いたことに、心から感謝しています。
このコンテストへの応募を勧めて下さったのは、ハラール関係でお知り合いになったある方でした。
今回のコンテストは、7回目にして初めての「日本在住の外国人の作る醤油を使ったレシピ」を対象にしたもので、「和食部門」と「お国料理部門」それぞれでの募集とのことでした。
まずどんなレシピで応募しようかと考えた時、ハラールをより日本人にも身近に感じてもらいたい、また、ムスリムにとって貴重なハラールハンバーグで勝負したいという思いが湧き上がり、ソースを和風にアレンジしたレシピを作りました。
しかしそんな中、私自身が体調を崩して緊急入院するという、予想外の出来事が起こり、一時はコンテストどころではなくなってしまったのです。
辛い数日を過ごし、病床でふとコンテストのことを思い出したのは、応募締切の前日でした。
妻には「今回はもう諦めたら」と言われましたが、このコンテストは絶対に挑戦したいとの思いがどうしても断ち切れず、お店からレシピノートを持ってきてもらいました。
鼻からチューブを入れた状態で、病院のベッドでレシピを書き上げたことは、一生の思い出になりました。
そんな状況の中で応募したため、その後はほとんどコンテストのことは頭になかったので、「98レシピの中からファイナリスト5名に選ばれたので、最終の調理選考に来てください!」というメールをもらった時は、一瞬なんのことかわかりませんでした。
それが、書類選考が通り金賞を決めるための調理選考への招待のメールだと知り大変驚きましたが、こうなれば優勝するしかないと熱い闘志が湧き上がりました。
ありがたいことに、選考当日は万全な体調で臨むことができ、代々木にある服部幸鷹先生の学校で、審査員の皆さんの前での最終調理選考に参加しました。
そして10月1日「醤油の日」に「醤油の日の集い」が東京都内で開かれ、「第7回しょうゆ味レシピ&エピソードコンテスト」の表彰式で、金賞受賞という最高の賞を頂きました。
一ムスリムで一在日外国人である私の頂いた大変名誉ある賞が、少しでも日本に住むムスリム、日本でハラールを広めようとしている方々にとってのこれからの励みになれば、これ以上の幸せはありません。
応募のきっかけをくださった方、その方を紹介してくださったHMJの守護さんはじめハラール関係の仲間のみなさん、コンテスト関係者のみなさん、応援してくれた友人、家族に本当に心から感謝しています。
ありがとうございました。
10/24の17時から、私のお店「プランポーネ」で「金賞受賞記念 ハンバーグパーティー」を開催致します!
ハンバーグはもちろん、新メニューですでに大人気の「ハラールベイクドチーズケーキ」もお召し上がり頂けます!
ぜひお友達やご家族を誘ってお越しください。
下のfacebookで参加ボタンを押してください!
https://www.facebook.com/events/950832301622549/
以下、コンテスト応募のエピソードと、服部幸鷹先生に頂いたご講評です。
【エピソード】
僕が日本に来たのは、30年前のことです。
ムスリムである僕にとって、当時の日本では食べるものに大変苦労しました。
僕は豚肉が食べられず、でも日本の飲食店は豚肉でいっぱいでした。
半年ぐらいの間は家で卵焼きとご飯、そしてバナナだけ食べていました。
24時間中18時間外にいるのに、ご飯が安心して食べられない・・・とても不安な日々でした。
泣く泣く徐々に日本の食生活に合わせるしかありませんでした。
そんな経験から、いつか日本で美味しくてムスリムも日本人も皆が安心して口にできる食事を提供したいとずっと考えていました。
そして3年前に、ハラールのレシピを作り、レストランを開業しました。
ハンバーグとの出会いは25年ほどまえのハンバーグ専門店での仕事の経験です。
レストランを開業した後、ムスリムの方々より「ハンバーグが食べたい」との多くの希望を頂き、ハラールハンバーグを開発しました。
評判は上々で、ムスリムにも日本人のみなさんにもとても喜んで頂いています。
ハラールが「ムスリムのため」だけのものではなく、日本人のみなさんにとっても安心・安全でヘルシーに美味しく食べられるものであるということが、日本で常識になる日が来ることを願い、今回はハラール×和食のコラボレーションレシピで応募させて頂きました。
【服部幸鷹先生のご講評】
和食の部はバングラデシュの「ハラール照り焼きハンバーグ 大根おろし醤油だれ」です。
ハラールというのは、イスラム教の中でルールがありまして、アルコールであるとか豚類は使えない。
醤油も場合によっては使えないのです。
と申しますのが、防腐剤にアルコールを使っているものがあると使えない。
しかし、自然で発酵した中で出来上がったアルコールは認められているんですね。
ですから、そのへんは上手く見つけながらお使いになられたようです。
ハラールの人たちが、これからオリンピックに向けて800万人は来るだろうと言われているんです。
実は、外国からの人が今年2000万人を超えるだろうと言われているんですね。
300万人がいわゆるイスラム教、ムスリムの方が来られるわけですけども、それがオリンピックの時には800万人ですから、それに対応できるような食生活をいうものを我々がどれだけ用意できるか。
今も作り方をお教えするような講習をやっているんですけれども、まだまだ日本では一神教に対する考え方の理解がなかなか難しいのが現状です。
宗教観をうまく活かして、今回のハンバーグを非常に美味しく作って頂きありがとうございます。
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