ラマダンとイードについて、日本とインドネシアで違うこと
寄稿者: Rahmania Radjadi (www.rahmaniaradjadi.com)
イードムバラク!神聖なラマダン月が明けて、世界中のムスリムがイードをお祝いしていますね。私は今年インドネシアで家族や友人とイードをお祝いしました。
その帰省中、ラマダンやイードについて日本とインドネシアの違いを実感しました。
もし日本のイードがインドネシアとどれくらい違うのか気になっている方にはまさにぴったりの記事ですよ。
ラマダン
インドネシアの人口のほとんどがムスリムなので、ラマダン中の断食は日本よりも一般的だと思います。断食中だということを話しても驚かれることはほとんどありません。
タクジル(ラマダン明けのごはんや軽食)はあちこちの屋台で売られていますし、営業時間を早く切り上げるオフィスもあります。
インドネシア人の多くは「i’tikaf(イティカフ)」をするためにラマダン最後の10日間をモスクの中で過ごします。
(イティカフとはイスラム教の行動のひとつで、ある程度の日数をモスクに滞在し、世俗的なものから離れて礼拝に集中するための行いのことです。)
一方日本ではムスリムが少数派なので、日本の友人たちに断食中であることを言うとびっくりされたり感服されたりします。
日本のモスクでもタクジルを配っているところはあり、東京にもいくつかそのようなモスクがありますね。
日本でイティカフを許可しているモスクはありますが、事前の申請が必要で、その人数分の食事を用意してくれる場合が多いようです。
こういうところはインドネシアと異なります。インドネシアではほとんどのモスクで申請せずにイティカフができる一方、すべてのモスクが食事や軽食を用意しているわけではありません。食事の時間は家で過ごすほうが好まれるためです。
イード
「takbir night(タクビルナイト)」の間、インドネシアではほとんどどんなモスクでもタクビルが耳に入るでしょう。日本でイードを過ごすとこのタクビルナイトが一番恋しくなります。
タクビルはラマダン中の最後の朝ごはんの時間から始まり、イードのお祈りが始まる直前に終わります。日本でタクビルを聞くのは簡単ではありません、この時間帯は家族全員に聞こえるほどの大音量でパソコンからタクビルを流すのが大好きです。
日本では、イードの間はモスクやイスラム教の国の大使館がイードのお祈りをしますし、もちろんムスリムのコミュニティーもお祈りで集まります。お祈りが終わると多くの大使館は市民をパーティーに招待してごちそうします。
インドネシアではお祈りのあと、「silaturrahim(シラテュラヒム)」を深めるために家族単位で訪問しあいます。シラテュラヒムとは「つながり、親交」というような意味の言葉です。
インドネシアのイードのお祈りはモスクの駐車場や広場、通行止めにした道路などの広い場所で行われます。人々はその後のシラテュラヒムのときに互いをごちそうでもてなすのが一般的です。
またシラテュラヒムは、インドネシア人にはおなじみの「mudik(ムディク)」をする大きな理由にもなっています。
ムディクは「家に帰る」ことを指しますが、シラテュラヒムするために両親や祖父母の家に帰るからです。
もちろんインドネシアのイードでするのはムディクだけではありません。子供にお菓子やお小遣いをあげたり、帰省のお土産にも独自の文化があります。
おわりに
文化の違いと同じように、日本とインドネシアのイードに違いがあるのは当然です。でも私にとってはこの違いがとてもおもしろいですし、両方を体験できてよかったと思っています。
皆さんはどうですか?皆さんの国ではどのようにイードを祝い、この期間にはどんなことをするのでしょうか?