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アーカイブコラムの第三回は

訪日ムスリム客への具体的なマーケティング方法をご紹介します。

 

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「データで読み解く訪日ムスリム客の動向」第三回
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前二回では、訪日ムスリム客はどんな情報を探し、
実際にどんな店舗へ行っているのかをご紹介しました。

 
今回は送客の観点から
どんなマーケティングが効果的なのかを検証します。

 
そのためにはターゲットを絞って、まずは彼らの選択肢に入らなければなりません。
ではどうやってターゲットを絞ればよいのでしょうか。

 
●検索結果に「スマホ対応」がないと見てもらえない

図1

 
まずご紹介するデータは左のパイチャート「3:7」です。

 
これはハラールメディアジャパンを見るためにユーザーが使っているデバイスの比率で、
PCが3割、モバイルとタブレットが7割に至っています。

 
自社のウェブサイトに英語ページを追加する例は増えていますが、
モバイル対応も不可欠になっているという状況が確認できます。

 
モバイル対応の必要性はGoogleが一昨年春に発表した
検索アルゴリズムの変更にも表れています。

 
「ウェブサイトがモバイルフレンドリーであるかどうかを評価する」

 
つまり、モバイル対応していない場合は
検索上位に表示されない可能性が高くなるということです。

 
これはウェブサイトだけではなくブログやネットショップでも同様ですので
対応如何によっては致命傷になりかねません。

 
確かにスマホの小さな画面ではPC対応のページはとても見にくいですよね。

 
●ターゲットは女性、Facebookで囲い込め
 
次のデータは右のパイチャート「4:6」です。
 

これはハラールメディアジャパンを見ている男女比率で
男性が4割、女性が6割です。
 

法務省が発表した出入国管理統計によると、
2014年に訪日した外国人客全体の内訳は男性が49%、女性が51%でしたので、
 

ハラールメディアジャパンを見ているムスリムでは
女性(ムスリマといいます)の方が情報収集に熱心であると考えられます。
 

そのムスリマの情報発信ツールとして必須なのがFacebookです。
 

ソーシャルメディアの代表格であるFacebookはマーケティングツールとしても重要で、
ハラールメディアジャパンを見ている訪日ムスリム客の多くは
Facebookで情報をシェアしています。

 
「新しいお店がオープンした、行ってみた、写真を撮ったよ」という流れに対して
「おいしそう、私も行きたい、この記事シェアするね」と
どんどんと情報が拡散していきます。

 
こうしたコミュニケーションは女性が発信して女性が呼応しているケースが多く、
Facebookの運用者はコミュニケーションを通じて
ターゲットを一段と絞り込むことができます。

 
事実、前回ご紹介した検索ランキング上位の店舗は
全てFacebookで積極的に情報発信しています。

 
さらに共通しているのは
来店したムスリマの写真を投稿している点です。

 
一言断った上で写真を撮り、それをお店のFacebookに投稿したよと教えてあげると
彼女たちがその記事をシェアして自分たちのコミュニティで拡散してくれます。

 
つまりFacebookは強力なクチコミツールになっているのです。

 
●ソーシャルメディアは複数を運用して連携させる

 
ここまでインバウンドの観点から訪日ムスリム客のターゲットは女性で
モバイル対応したウェブサイトからFacebookへ誘導し、
写真を投稿してシェアしてもらうという流れを確認しました。

 
さらに踏み込むのであれば
ソーシャルメディアを複数運用することをお勧めします。

 
メインのFacebookページの他にファンの集まりであるサブページを運用したり、
TwitterやInstagramと連携させるのです。

 
ハラールメディアジャパンはメインのFacebookページ以外にも
サブのページを複数運営しています。

 
興味深いことに、同じ記事に対してメインページでのいいね!の数よりも
サブページでのいいね!の方が多いことが、しばしばあります。

 
複数ページを運用することはウェブサイトやメインページへの誘導と
そこで漏れてしまった潜在客へのアプローチにも繋がるのです。

 
Facebookの記事は残念ながら検索上位に表示されませんが
いいね!が増える度にその記事はより拡散されリーチする読者は増えます。

 
そうなると自ずと話題になり
複数のメディアで次々シェアされるという好循環を作り出すことができるのです。

 
ソーシャルメディアは無料で開設できる上、その利用者は増え続けています。

 
モバイルで情報を探している訪日ムスリム客に対して
Facebookを使ってどういうコンテンツであれば刺さるか。

 
来月はそこで発信されている情報から彼らのニーズをさらに深掘りします。

 
(注)このコラムはThe Daily NNAシンガポール&アセアン版(2016年4月26日)にて
「ハラールという戦略上の選択肢・第三回」として掲載された内容を再構成したものです。

 

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