ブルネイのハラール市場レポート

DOWNLOAD PDF Brunei Report[PDF]

ブルネイとは?

皆さん、ブルネイという国をご存知でしょうか。
ブルネイは、マレー半島の東、ボルネオ島の北東部に位置します。

ブルネイのハラール市場/ブルネイハラールの現状

さて、国民の約 8 割がムスリムですが、ブルネイのハラール市場、日常におけるハラールはどのようなものでしょうか。そもそも、ブルネイは国教がイスラム教であり、法律もイスラム法によって定められています。したがって、国内でのアルコール販売がされていたり、スーパーでも豚の販売が隔離されていたりします。

つまり、基本的に日常で接する食べ物・飲み物はハラールが前提となっているのです。ブルネイで流通している商品は基本的に「ハラール認証」が義務付けられています。そのハラール認証は、「ブルネイの機関のハラール認証」である必要はなく、マレーシアやフィリピン、オーストラリアや欧米諸国など、様々な国のハラール認証が許可されています。ブルネイは、42.3 万人(2016 年、外務省)の人口で、国土は 5,765 平方キロメートル(三重県と同じ大きさ)です。イスラム教を国教とし、国民の 78.8%がイスラム教徒となっています。(外務省)国の主要産業は石油であり、GDP の大半を天然資源で占めています。

中には、下記のように輸入されたハラール認証商品にブルネイ・ハラールの認証を再度、ラベリングされているケースも見られました。「ブルネイ国内で流通する商品は、消費者が安心するので再度、ブルネイ・ハラール認証を取得することもある」と宗教省(Ministry of Religious Affairs)が話していました。
鶏肉は、ほとんど国産(ブルネイ産)であり、内需を満たすほどの生産はできているようです。ブルネイではソーセージなどの鶏肉加工品の国内流通が多く、そのような商品は価格次第で日本のレストランやホテルへのニーズを満たす可能性を十分に持っています。しかし、規制上、日本への畜肉輸出は現在、できないとのことです。

ブルネイでハラール認証を取得する際、下記のような費用や有効期間が定められています。
・レストランのハラール認証
取得費用:90 ブルネイドル/3年
・商品のハラール認証
取得費用:50 ブルネイドル/商品
*1ブルネイドル=81.07 円(2018 年 8 月 31 日時点)
*認証審査期間:最大 45 日
*認証レストラン・企業には最低2人のムスリムスタッフ雇用が条件政府が旗を振り、明確な基準・価格・プロセスを公開しているため、事業者は事業を開始するとともにスムーズにハラール認証の取得まで行うことができます。

BruHAS について

2018 年 8 月 8 日〜12 日でブルネイのハラール展示会「Brunei Halal Showcase (BruHAS)」が実施され、125 を超える企業がブルネイ国内外から参加しました。参加者は個人消費者が多く、プロモーションの場としての展示会という認識の企業が多かったようです。

海外からは中国、フィリピン、台湾が出展し、盛り上げを見せていました。特にフィリピンはハラール輸出に国家予算が割り当てられ、ここ一年で日本、マレーシア、ブルネイでの展示会に出展し、続いてドバイにも参加をする予定だそうです。出展企業は、地元の中小企業を中心に、食品(飲食/製造)・化粧品・美容品・ファッション・金融・教育等、様々な分野から集まりました。近年、ブルネイでは、若い年代を中心とした中小企業が活発になってきており、様々な商品展開が国内でされている一方、生産数量や組織体制的にまだ輸出などの海外進出展開には時間がかかり、課題となっています。また、品質はもちろん、今後、マレーシアやタイなどの商品との価格における競争力を持った商品の生産が期待されます。

海外企業の場合、ブルネイに工場を所有し、そこで現地スタッフを雇用、工場でのハラール認証を取得した上で生産、輸出をしているケースも少なくなく、ハラール市場のハブとしての一面も見せ始めています。
輸入品に頼らず、ブルネイの特産品「ブルーシュリンプ」を活かしたスナックを販売する企業も見られ、地のものを使用した商品も販売しています。

Darussalam Enterprise(DARe)は、ブルネイ国内の中小企業のサポートをする国の機関であり、中小企業のトレーニングやプロモーション等を担います。日本でいう貿易振興機構(JETRO)です。中小企業の市場参入が活発になってきたブルネイでは機能的な役割を果たしています。

Sponsored by ASEAN Japan Centre